グジャラート州ドライステート
グジャラート州は禁酒州₍ドライステート₎でお酒を飲む習慣のある人は少なく、またお酒を公の場で飲むこともできません。もちろん酒類販売ライセンスを取得した一部のホテルなどで売っているところはありますが、一般的ではありません。インド独立の父マ【ハトマガンディー】がグジャラート州の出身で、仏教・ジャイナ教などの教えでの諸悪の行為につながる原因がお酒だという飲酒悪徳論を持っていたためといわれています。したがってグジャラート州へ行くときは毎日休肝日となります。
インド初の金融特区GIFT CITY
モディ首相は、インドの金融規制が厳しいので金融機関がシンガポールなどのオフショアへ行ってしまうことを懸念し、グジャラート州にインド初の国際金融テックシティーを作りました。
「金融分野やIT関係企業を呼び込み、ロンドンやニューヨーク、香港、シンガポールのような国際金融ハブ化を目指す計画。良好なアクセスやインフラ整備を武器に投資を呼び込む」(JETRO)という国策の特区で2012年から本格建設が始まり、現在では2つのホテルや病院も整い始め、日本のメガバンクも参入し始めています。
お酒がなくては商談も進まない?
ここに国際的な企業を呼び込む際、毎晩お酒を我慢するのでは商談も進まないばかりか、お酒が飲めないからとそもそもグジャラートへ来るのを躊躇するかもしれないということで、しぶしぶこの経済特区ではお酒を出せるようになった、というので早速事情を見に行きました。
厳しすぎる酒の提供
2つのホテルにある飲酒できるエリアは、ホテルの奥深いところにありGIFT CITYで働く人など飲酒許可証を持った人しか入れません。飲酒エリアは監視カメラ付きで誰がそこで飲酒したか録画されています。
リカーショップも許可証を持っている人しか買うことができず、しかも夜8時には閉まってしまいます。
気軽にお酒を飲みながら商談する雰囲気ではなく、そこまでしてお酒を飲まなくてもいいのではないかと思ってしまいました。
インドのお酒の需要
グジャラートは特殊なドライステートですが、デリーやムンバイではリカーショップは普通に町にあります。そこで女性の姿を見ることは珍しく、むくつけき男どもが群がって₍列はつくらないので)我先にお酒を求めています。
フランスにはワイン、ロシアにはウオッカ、メキシコにはテキーラ、日本には日本酒があるようにその国独自のお酒がありますが、古代文明のあったインドには地酒がなく飲酒は盛んではなかったのですが、経済が豊かになり所得が上がると飲酒や肉食が増えるという現象が起こっています。日本のクラフトビール、日本酒、日本産のワインなどへのニーズがインドでは大きく、今回の視察でもインド人から日本のお酒を依頼されました。
髙橋 美都子
インド政府奨学生としてインド留学をはじめ海外4か国に12年在住した経験と多くの人脈を海外に持ち、米系企業では約20年マーケティングを専門に働きました。現在は起業した会社でインド市場進出支援や人材紹介をする傍ら、グジャラート工科大学で博士号に挑戦中。