グジャラートで暮らす人々の特徴 高い教育水準、女性のビジネス進出、甘いものが大好き

ジャイナ教徒の人口が最も多いグジャラート

戒律の厳しいジャイナ教徒は不殺生や暴力を禁じるのはもとより、肉食を禁じ菜食でも最も厳格に、地下にできる植物や香りの強いニンニクやニラなども食べません。日本のお坊さんが食べる精進料理と同じです。ジャイナ教の家庭でお食事をいただくと小鳥になった気分になります。

一般にジャイナ教徒は倫理観が高いといわれていて(もちろん腐敗したジャイナ教徒もいますが)マックスウエーバーが宗教と経済でプロテスタントが勤勉で生涯年収も高いと説明したように、一般的にジャイナ教徒は勤勉で、倹約家で、倫理観が高いため、ダイヤモンドのように信用が必要な職業での商業活動で富を築いている人が多いです。

インドの人口の0.4%しかいないジャイナ教徒ですが、グジャラート州には特に多く、グジャラートの人口の0.95%にのぼります。


高い教育水準ー富裕層の子女はアメリカやイギリスへ留学

グジャラートの成功したファミリービジネスの子供たちは、欧米の有名大学に留学、中には高校から留学というケースが極めて高いです。多くの長男たちは卒業と同時に帰国してファミリービジネスでキャリアをスタートさせます。留学経験の若い世代がデジタル化などファミリービジネスに新風を吹き込んでいます。しかし中にはアメリカやイギリスの大企業に就職して残るケースもあるようです。あるジャイナ教徒の実業家は、息子がアメリカの自動車メーカーで20代で5桁の給料(1000万円以上)をもらっているのだから、このままアメリカに残って家業を継がなくてもしょうがない、といっていました。

女性パワーの台頭

インドは日本同様男尊女卑では世界のビリ争いをする国ですから、女性がビジネスにかかわることが少なかったのですが、昨今海外の大学に留学して帰国した娘たちが家業を継ぐケースが増えてきました。昔はファミリービジネスに結婚前の短期間腰掛で働くことはあっても、慈善活動のような「女・こどもがする」仕事をしていましたが、最近の娘たちはバリバリ事業の中枢の仕事にかかわっています。ミネラルウォーターで急成長するAavaのお嬢さんも、アイスクリーム大手Vadilalのお孫さんも、会社をけん引する女性実業家です。

甘いものが好き

グジャラートの人は特に甘いものが大好き。ジュレビ、バルフィ、ラスグーラなど、お砂糖やミルクで頭が痛くなるほど甘いスイーツを好んで食べます。マサラチャイもスパイスが効いて甘~いのですが、コロナ以降グジャラートの人々がグリーンティーを飲むようになりました。緑茶は免疫力を高めるということで。

 

経済力が上がって豊かになると、かたくななまで変わらなかったグジャラートの人々の生活や価値観や食文化が少しづつ変化しているようです。

髙橋 美都子

インド政府奨学生としてインド留学をはじめ海外4か国に12年在住した経験と多くの人脈を海外に持ち、米系企業では約20年マーケティングを専門に働きました。現在は起業した会社でインド市場進出支援や人材紹介をする傍ら、グジャラート工科大学で博士号に挑戦中。


Haa Baht

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